大会長挨拶
第33回日本POS医療学会大会を開催するにあたり
標記の大会について、来る平成23年5月14日〜15日の両日にわたり、北九州国際会議場にて開催する予定です。33回目となる今大会も多くの方々のご参集を賜りたくここにご挨拶を申し上げます。
日本POS医療学会大会は、日野原重明会頭、並びに関係者皆々様のご努力、熱い思いによって設立され、既に30年余の歴史があります。このすばらしい歴史のもと、大会開催の一役を担うにあたり身の引き締まる思いであると感じております。まずは、関係各位に深く御礼を申し上げます。
さて、皆様ご存知のとおり、昨今の医療情勢はめまぐるしく変化し、医療技術の進歩とあいまって、患者さんやご家族からの要望も多様化・高度化してきています。
患者さんの要望に応えるためには、治療に対しては勿論ですが、それだけではなく、医療機関の明るい雰囲気作りやご来院していただいた患者さんに安心感を与える、全てにおいてのホスピタリティが必要になります。「病気」という漢字のつくりをみると、「病」はテクニックで治せますが、「気」はテクニックではなく、人間性や人間力で治していかなくてはならないことがわかります。そのためには、医療技術とともに人間力も高め、併せて、職員一同で協同し、お互いを補完しながら業務を進めていく必要があり、そこには、垣根を越えた職種間の“連携”が必要になります。
連携をスムーズに行い、強化していくためには情報を共有することが大切であり、そのために「記録する」ことが必要になるわけです。記録とは、単なる事実を残すことではなく、次の計画のため、ステップを踏むためにも必要なものです。また、後に総括をすることで教育的な内容にもなる大切な行為であることを、各自が自覚してもらいたいと考えます。
そこで、客観的な観点できちんと記録し、連携していくことが、医療の質の向上やリスクマネジメントを進めていく上でもいかに大切なものであるかを取り上げたいと考え、今大会のテーマを「医療連携とPOS」として、進めていくことにいたしました。
詳しいプログラムの内容はこれから詰めていくことになります。病院外にも展開する医療があればそれらの記録はどのように行うべきか、それらを包括して医療の質やあり方についてどのように発展させていくことができるだろうかなどと、議論すべき事柄は多々ありそうです。一般演題と合わせて大いに議論を深めたく思います。
どうか皆々様には、北九州市の小倉に足を運んでいただき、盛会を期したく思います。
皆々様のご協力、ご支援を心からお願い申し上げます。
第33回日本POS医療学会大会
大会長 延吉 正清
財団法人平成紫川会 社会保険小倉記念病院 理事長・院長